fantasy:ファンタジー
ドワーフの仲間達 -無断転載・流用は禁止です-

■ドワーフ(DWARF)の仲間達とは■
彼らはみながみな、地下のくらいイメージと結びついた妖精たちである。彼らの多くは実際に地下の洞窟などに住んでいるし、たとえそうでなくても、太陽の光が届かないような暗闇を好んでいる。そして、人間に見られることを極端に嫌っている。
暗闇は邪悪さの象徴とされることがあるが、これらの妖精たちも性格は邪悪で、人間にとって危険なものが多い。中には悪魔と非常に近い関係のものもいるし、姿を見るだけで不幸が起こる不吉なものもいる。できるだけ関係を持ちたくない、そんな妖精たちだ。

■ドワーフ(DWARF)■
地下に住む小人の鉱夫たち
ドワーフはヨーロッパ各地の地下や洞窟、岩の中、湖の底などに住み、鉱夫の仕事をしているというわれる。身長が1メートルぐらいの人間の姿をしており、髪とひげが長く、見た目は醜い。緑や赤の三角帽子をかぶっており、足が短く両手が長いので立っていても両手が地面に届いてしまうといわれることもある。
鉱夫らしくカンテラとシャベルを持っていることが多い。広い地域に分布しているので呼び方はさまざまで英語ではドワーフだが、北欧の国々ではドヴェルグ、ドイツではツヴェルクと呼ばれている。
多くのドワーフたちはその洞穴の中に一生涯とじこもっているという。時折地上に出ても、それは夜中で、しばしば姿を消していることもあるという。姿を消すために、隠れマントや隠れ帽子のような不思議な道具を使っている。人間がドワーフの姿を見つけると、彼らは人間に呪いをかけたり、殺したりする。ドワーフとの出会いがよい結果を生むのは、ドワーフがその人間を気に入ったときのみである。
邪悪な妖精といわれているが、善良なドワーフもおり、実にさまざまなタイプが存在するという。
北欧神話で語られたドワーフの基本
ユミルが死に、彼の肉が大地に、骨が岩に、頭蓋骨が天に、血が海になったときにドワーフも生まれた。彼らは最初はユミルのにくいわいた蛆虫であったという。うじ虫達は、神たちの力で人間の姿と知性を与えられた。彼らは、それから大地の地下に住むようになった。その国はニダヴェリールと呼ばれたという。
この日から、ドワーフは地下に住み、穴を掘り、金や宝石を捜しつづけている。北欧神話のドワーフには太陽の光にあたると石になってしまう性質のものもいる。
金属や宝石と関係の深いドワーフは鍛冶屋や細工士としても一流で、その技術はほとんど魔法に近く、錬金術師のような雰囲気さえあるという。北欧神話に登場するオージン(最高神)トール(戦神)フレイ(豊穣と平和の神)がそれぞれの神能に応じて持っている超自然的な武器や宝物も、ドワーフの手により作られたという。
イヴァルディの息子達は、悪神ロキの依頼により制作した黄金の髪スキーズブラズニエル、グングニルを制作した。また、ブロックルというドワーフは、黄金の猪グッリンプルスティ、黄金の腕輪ドラウプニル、鉄槌ミヨルニルという3つの宝物を作った。ドワーフ性質には特別に優れた作品を生み出す力があるのである。
指輪伝説の元になったアンドヴァリの指輪
リヒャエル・ワーグナーの壮大な楽劇「ニーベルングの指輪」の起源となっている「アンドヴァリの指輪」という物語がある。
このように指輪をめぐる物語はヨーロッパに数多くある。この指輪にはいつもドワーフが関係しており、ドワーフが妖精たちの中でも相当に魔術的で、ファンタジーの世界に欠かせない存在であるということがわかる。

■トロル(troll)■
小人の妖精になった北欧神話の巨人達
フィンランドの作家、トーベ・ヤンソンのいわゆる「ムーミン」が有名。二本足で立つかばのような姿をした無邪気な妖精で、ムーミン谷という自然にあふれた平和な土地に住んでいる。
民間伝承に登場するトロルは、スカンジナビアの国々に住む人間の姿を下小人の妖精たちで、大きさは子供くらい、容姿は醜く、背中に大きなこぶをもち、鼻が長くて鉤鼻。性格は親しみやすいといわれているが、かなりあくどい事もするので油断ならない。邪悪でいたずら好きな妖精である。
小人の妖精にもかかわらず、北欧神話で「霜の巨人族」と呼ばれている巨人達であった。トロルには巨人型と、小人型があるようだ。
親しみやすく危険な小人のトロルたち

トロルの中で大多数を占める小人のトロル。丘や塚のような盛り上った大地の下に住んでいる。その家はとても贅沢で、金銀や宝石で飾られており、金持ちであるという。
人間のたくさんいる場所を彼らは嫌っているため、自分達の土地に人々が開拓を始めると、別の土地へ移ってしまうという。それで彼らは「丘の人」とか「隠された民」と呼ばれることがある。
トロルたちは騒音、とりわけ雷やドラムがなるような音を極端に嫌うという。トロルの祖先だった「霜の巨人」たちは、北欧神話の雷神トールのハンマー(雷)のために幾度となく痛い目にあっていたから、という。
また、トロルは教会の鐘も嫌いで、教会の尖塔に鐘が取り付けられるとその地から姿を消すという…
トロルたちは、踊りや歌が好きなので静かでなければ生きていけないわけではない。また、自分達を助けてくれた人間達には、人間達がトロルとの契約(自分達と会ったことを誰にも言わない等)を守る限り、人間に幸運を与えるという。トロルをもし裏切るようなことをすると、人間は大変な仕返しにあう。トロルには不思議な魔法があるので、その仕返しは相当に恐ろしいものとなる…
トロルの魔法はかなりのものである。その魔法で自分達の姿を消す。先のとがった「隠れ帽子」や「見え帽子」などを使うという。(どんな帽子でも、その中に土を少々入れてかぶれば、消えているトロルを見ることができるという) また、小さな当たり前の封筒に湖一個分の水を封じ込めることができるという。
ある男は、トロルの魔法で12人力を与えられたものの、それがトロルの仕業だとみんなに打ち明けたために、それから食欲まで12人分になってしまった。指をつばでぬらさずに紡いだ糸を納入するという契約をトロルと結んだある老婆は、その契約を守っている間はトロルから莫大な金銀を報酬として受け取って大金持ちになっていた。だが、彼女が契約を破り指をつばで湿らせて糸を紡いで納入した後、蓄えていた金銀が小石にかわり、それから落転の一生を送ったという…。
トロルに小麦粉とビールを貸してくれと言われ、それをもっているにもかかわらず「ない」と答えると、本当に蓄えていた小麦粉とビールがすべてなくなってしまったという伝説もある。
トロルのチェンジリング

トロルが邪悪といわれるには、魔法の力もさることながら、彼らの盗癖にある。トロルは人々の貯蔵庫からしばしばビールを盗むので、人間はビール樽に十字架を彫って自衛したという。
トロルの盗癖はひどいもので、時には人間の人妻、赤ん坊を盗んで、かわりにトロルの赤ん坊を置いていくこともあったという。このような人間と妖精の赤子の置き換えは”チェンジリング(取り替え子)”といって、いたずらな妖精たちの悪癖の一つである。
”チェンジリング”を防止するには、洗礼をまだ受けていない赤ん坊のいる部屋では火を落とさないこと、暗くなったら風呂の湯を流さないこと、赤ん坊の産着には縫い針か鋼鉄のものを通しておかなければならない。
トロルの子供はとにかくうるさく、親の言うことを聞かずに暴れまわり、家にあるものをガツガツと食いつくし、体が大きくならない。そのため、その家はかなり貧しくなってしまうという。そこで、親たちはやっと自分達がトロルの子供を育てていたことに気づくという。
どうにかして自分達の子供を取り返したいという親たちのために、いくつかの方法がある。その一つは、トロルの子供をオーブンで焼いてしまうという残酷な手段に出ることだ。もちろん、本当に焼くのではなく、子供をパン焼き板に乗せ、火の中にくべるまねをするのである。そうすると、トロルの母親がびっくりして、人間の子供を返してくれるという。民話の中では豚を丸ごと一匹使った黒いプティングを食べさせたり、卵の殻で湯を沸かしてみせるなど方法が使われている。そうするとこんなものみたことない!とトロルの子供が逃げ出し、人間の子供が帰ってくるという。
北欧神話のドヴェルグがおちぶれて、トロルになったという説もある。
邪悪だが間の抜けた巨人のトロル

巨人トロルは、完全に邪悪な存在といわれている。巨人のトロルにはまれに頭が2個も3個もあるものもいるという。
巨人のトロルには決定的な弱点がある。彼らはいつも地下で暮らしており、地上には夜しか出ない。太陽の光にあたると体が石になってしまうからだ。
トールキンの「ホビットの冒険」にでてくるトロルは、くらい森の中の洞窟に住み、動物の肉を食って生きている。機会があれば、人間の肉を食うこともあるという。しかし、彼らは非常に頭の働きが悪く、鈍い種族であるため、これらの難を避けることも可能であるという。

■トロウ(trow)■
災いをもたらす灰緑色の服を着た妖精たち
スコットランド北方の海に浮かぶシェトランド諸島に住むといわれる不吉な小人の妖精たちである。彼らは人間に似た姿をしているが、背は大変に低いといわれている。いつも灰緑色の服を着ており、草野はえた丘の下の豪奢な宮殿に住んでいるという。宮殿の中は全て黄金で飾られていたという…
宮殿のある丘に出入りできるのは、太陽が出ていないときだけで、徒労たちは丘の一方の側から中に入り、反対側から外に出るという。トロウが地上に姿をあらわすのは日が暮れてからで、太陽が昇らないうちに地下の家に戻るという。彼らは太陽の光が嫌いな上、昼の間は家に戻れないので愚痴をこぼしつつうろうろあたりをさまよい、隠れる場所を探しつづけるという。
トロウは、地上にいる間、迷惑ないたずらをする。農家の牛小屋に忍び込んでこっそりと牝牛の父を絞ってしまうことがあるという。自分達の宴会のために、農家や家畜の取引をする市場に出かけ、食料用に牛や羊を盗んだり、偽者の肉を置いていくという。シェトランド諸島の人々は家畜が突然死した場合はそれはトロウの仕業だと考え、その肉を食べないように注意したという。
トロウは、トロルと同様子供をすりかえる”チェンジリング”のいたずらをしたり、人間の女性を誘拐して子供のうばにすることがある。また、泥棒を働くこともしばしば、だという。
出歩いているトロウを人間が見つけた場合、トロウは自分を見つけた人間をじっとにらみつけ、じりじりとあとじさりしながら去っていくという特徴があった。また、人間の方がトロウから目を離さなければ、トロウは金縛りにあって動けなくなったという。だが、こうやってトロウを見かけることは人間にとって不幸なことで、それだけで災いが振りかぶったといわれる。この災いが人間の子供に振りかぶった場合は、その子供は死ぬ危険もあった。その子供を救う方法は一つで、母親が健康な子供を持った9人の母親から3種類の食べ物を譲り受け、それを自分の子供に食べさせないといけないという。
トロウが遠くへ移動する場合は、カヤツリグサにまたがって空中を飛んでいった。こんなトロウを見かけることも不吉とされていたが、地面の上に丸い輪を書き、その中から神の名によって近寄るなと命じるとトロウはどこかへ逃げ去ったという。
人間の女を攫い、結婚するクナル・トロウ
トロウには女王蜂のような存在がいたという。それが、クナル・トロウ(王様トロウ)である。このトロウは他のトロウよりも体が大きく、人間とほとんど変わらなかった。他のトロウと同じように、暗くなると地上をうろついたが、それは人間の女性を誘拐するためである。クナル・トロウは男で、しかも、女のクナル・トロウがいないため、誘拐した女性と結婚するのである。
クナル・トロウが結婚すると、次の世代のクナル・トロウがただ一人だけ生まれるという特徴があった。人間の女性は、一人生んだだけで、すぐに死んでしまう運命になる。父は新しく生まれたクナル・トロウを育てる義務があり、妻が死んでも再婚せず子が一人前になってから死んだという。
クナル・トロウが人間の女性と結婚するのは1世代に一度だけだが、人間の女性にしてみればクナル・トロウの陰気な性格もあって、望まれる結婚ではなかった。それで、若い娘達は日暮れ以降に出歩くときは大いに注意するようにといわれた。

■コレド(KORRED)■
こぶとり爺さんのこぶを取った妖精
古い時代、ケルト人たちがつぶしたメンヒルやドルメンといった巨石遺跡の地下にある世界に住む。フランス西部ブルターニュ地方の小人の妖精たちである。体中毛むくじゃらでしわだらわけの黒ずんだ顔をしている。ブルターニュ地方にはコリガンという妖精もいるが、コレドとコリガンはいくつかの点で似ている。しかし、コレドはドワーフの仲間らしく、家事仕事という特技があり、貨幣まで自分で作っている。そのせいか彼らの財布はいつも金貨で一杯であり、人間がこれを盗んでも空けてみると髪の毛とはさみしか見つからないという。また、コリガンと比べるとコレドの方が体が小さいという特徴もある。
コリガンは踊りはそんなに好きではないが、コレドは踊りが大好きで夜になるとドルメンの周りで大勢で踊っていることがあるという。コレドの踊りに遭遇してしまうと、無理やりコレドのダンスに引き入れられ、一晩中踊らされるあげく疲れきって死んでしまうという。しかし、コレドのパーティで彼らが喜ぶような芸をすると素晴らしい報酬を与えてくれるという。

■ゴブリン(GOBLIN)■
人間に害を加える醜い洞窟の妖精
ゴブリンはイギリスに住む人間に害を与えるたちの悪い妖精たちである。体は小さく、色は浅黒く、人間のように両手足はあるものの、全体的にグロテスクな形をしている。ウェールズ地方(イギリス)にはゴブリンの仲間のグブラナイという妖精たちがおり、身の丈は60センチくらいだといわれている。
ゴブリンが住処としているのは、鉱山の坑道や深い洞窟といった地下の穴ぐらである。家の隅、馬屋、気のほらなどにすむこともあるが、とにかく光のささない暗闇である。彼らは太陽の光が嫌いなので、昼の間はそこにこもり、夜になって行動を開始する。ゴブリンは鉱山を住居にするドワーフ系統の妖精の中でも純粋に悪質な性格だけを持っており、人間の役に立つことはほとんどない。軽いいたずらから、疫病をはやらせるような悪さまでいろいろと悪いことをするのだ。
ジョージ・マクドナルドのゴブリンたち
19世紀の童話作家ジョージ・マクドナルドの作品で、ゴブリンの詳細な生態が描かれている。
古い時代、人間と同じように地上に住み、姿も人間そっくりだったという。しかし、地上が人間のルールで縛られているのが気に入らなかったのか、いつのまにか地上から姿を消し、地下の洞穴に逃げ込んでしまった。それから、代を重ねるうち彼らの姿は見られないほど奇怪なものに変わってしまったという。また、ゴブリンたちは、自分達が地下に潜るときに地上の動物達を連れて行った。この動物達も地下生活で姿を奇怪なものに変え、子供の落書きのような姿だという。
ゴブリンは鉱山の地価に住んでいるが、住むのは坑道ではなく、自然の洞穴である。彼らは社会を持っており、国王も王妃も存在する。国王はゴブリンの中でも体が大きく、慎重が120センチもある。国王の周りには閣僚のような身分の高いゴブリンがいる。彼らが常に考えているのは、地上の人間をいかに困らせるかであり、特別な政治をしているわけではないという。
ゴブリンがよる地上に出てくるときは、まるで巨大な蜘蛛のようだという。彼らは歌が嫌いであるといわれ、即興で歌を歌うことができれば彼らを追い払うことができるという。

■インペット(IMPET)■
悪魔と妖精の中間にいる意地悪な小悪魔
インペットあるいはインプはヨーロッパ各地に住む、悪魔の流れを汲む黒くて小さな妖精たちである。悪魔と妖精の中間に位置するようなもので、かなり意地悪な性質を持ち、その悪辣さはゴブリンよりも悪質であることもあるという。それでしばしば、小悪魔とか小鬼と呼ばれることがある。
大きさは人間の子供くらいで全身が黒く醜い顔をしている。耳はこうもりのようにとがっており、長い鉤鼻があり、口は両側に大きく裂けており、腕も指も長くて鉤爪が生え、尻尾が生えている。
インペットが悪魔にならないのは、彼らがどこか間抜けで失敗をすることがあるからだ。

■ボゲードン(BUGGANE)■
マン島に住む毛むくじゃらの巨大なゴブリン
イギリスとアイルランドの間にあるマン島の山や渓谷に住む性質の悪い巨人の妖精。形は人間のようで、全身が真っ黒な剛毛に覆われた醜い姿をしていることが多いが、返信する能力もあり、黒くて大きな子牛のような姿をしていることもある。とてつもなく大きいので、歩くときは地響きが起き、水に飛び込むとはるか遠くまでその水音が聞こえるという。
性格はゴブリンやトロルのように人間に危害を加えることが多い。畑で働いている人間の女を肩に担ぎ、自分の住居へ連れ去ったり、どこかに怠け者の主婦がいると捕まえて滝の中へ落としたりする。
トロル同様、教会の鐘の音が嫌いなので、教会を立てようとすると夜中にボゲードンがあらわれて、それを妨害するという。
彼らは一人で行動する。体が大きく、また、その分頭も弱い。

■ラミナ(LAMINA)■
夜山を走り回る野人のような妖精たち
ピレネー山脈に近いフランスのバスク地方に住んでいる、全身が毛むくじゃらの、人間のような姿をした妖精たちである。普通は小人の大きさだが、必要に応じて大きくなることも出来る。
人間を金持ちにしたり、岩にしたりと不思議な魔法をもっているが、間が抜けたところがあり、泥棒に入った家で升の中に落ちて死んだりもする。
野や山の洞窟や、町にある橋の下で集団で住み着き、人間と同じように家庭を持ち、子供を持ち、寿命がくると死ぬ。
彼らは、子供が生まれるときに人間の産婆に手伝ってもらう。仕事をした産婆はラミナの差し出す二つのスープの入ったなべから一つを選ぶ。なべの一つには金が、もう一つには灰が浮かんでいる。ここで、灰が浮かんでいるなべを取れば、中には金が一杯詰まっているという。また、ラミナが死ぬときは人間にお祈りを唱えてもらう必要がある。彼らの寿命は人間よりはるかに長い。その寿命が尽きるとき、人間に祈りを唱えてもらえないと、彼らは死ぬことが出来ない。
ラミナはかならず人間にお礼をくれる。だが、それ以外のものを糸くず一つでも持っていこうとすると、妖精の国から人間の国へは帰れなくなるという。
ラミナは人に助けを求める割に、人間にとって迷惑なことをする。森の中を一人で歩いている女の子を見かけると、攫い、妻にしてしまう。生まれた子供が男の子だと、その子は前人毛むくじゃらで力の強い魔法も使えるたくましい男に成長するという。
金持ちのラミナは金の櫛や金の杯を身につけていることが多い。夜、野山に出てきたラミナから人間達が持ち物を奪い去ることがある。ラミナから逃げ切れば、その宝物は、奪った人間達のものになる。

■ホブヤー(HOBYAH)■
眠っている人間の肉を喰う残酷なゴブリン
かつてスコットランドに住んでいた、ゴブリンの一種。黒いトカゲのような体に白い手足があり、顔は魚のようで2本足で歩く。犬が大の苦手。

■ノッカー(KNOCKER)■
ノックの音で鉱脈を知らせる鉱山の妖精
おもちゃの人形と同じくらいの背丈で、年季の入った鉱夫のの格好をしている。手には、のみやかなづち、穿孔用の鉄棒などを持っている。そしてほとんどいつも集団で鉱石を切り出す仕事に従事しているという。
彼らはよい鉱脈をしっており、彼らのノックする音は、人間の鉱夫たちに良質の鉱脈を知らせる合図だった。

■グレムリン(GREMLIN)■
機械を敵視する新時代のいたずら者
グレムリンは、工場や人家に住み着いて、そこにある機械の調子を狂わせてしまう、比較的新しいイギリス生まれの妖精である。ゴブリンのように醜い姿をしている。
太陽の光の弱く、朝日にあたると死んでしまう。



注釈
ユミル
この世の最初に生まれた巨人。主神オージン(オーディン)やその神々よって殺され、その体から宇宙が作られたとされている。
ロキの依頼
しばしば神々と敵対する風変わりな悪神ロキが、トール神の妻である女神シフの美しい金髪を切り取るといういたずらをした。トールの怒りにロキは恐れをなし、地下に潜り、イヴァルディの息子達と呼ばれているドワーフに頼み事をし、いくつかのものを作ってもらった。一つは黄金の髪で、女神シフの頭に載り、しかも本物のように毛が伸びる優れもの。一つはスキーズブラズニエルという布と同じように折りたたんで持ち運ぶことができ、広げると神々全てが武装して乗り込める魔法の船で、これをフレイ神にプレゼントした。そして最後の一つは、決して的をはずさないという投げやり、グングニル。これをオージンにプレゼントした。
3つの宝物
黄金の猪、グッリンブルスティは、どんな駿馬より早く、空中でも海上でも飛び回り、黄金の毛の光で闇夜も明るくするという乗り物で、フレイが所持していた。黄金の腕輪ドラウプニルは9夜ごと、それ自身と同じ腕輪を8個生み出すというもので、オージンの持ち物となった。鉄槌ミヨルニルは、絶対に的をはずさず、しかも投げた後には必ずその手に戻ってくるというもので、トールの持ち物となった。
ニーベルングの指輪
アンドヴァリの指輪は、裕福なドワーフとその黄金の指輪をめぐる物語である。「ニーベルングの指輪」では、指輪はライン川の乙女(人魚)達が持っていた黄金から作られる。その黄金から指輪をつくれば、その所有者が世界の王となることを知った一人のドワーフアルベリヒが、人魚から黄金を奪って指輪を作る。が、アルベリヒが目的を達する前に指輪は巨人達の手に渡ってしまう。巨人達から指輪を取り戻すために戦が、アルベリヒと神々と英雄ジークフリート(北欧神話のシグルド)達の間ではじまる。最終的にこの指輪はラインの乙女達のところに戻ることとなるが、ときすでに遅く、世界は破局を迎えることになる…
アンドヴァリの指輪
<北欧神話「ヴァルスンガ・サガ」による>アンドヴァリは、とてもつもなく裕福なドワーフで、滝の下にある洞窟に財宝を隠し、自分自身が魚に変身してそれを守っていたという。彼はその財宝よりさらに、1個の黄金の指輪を何よりも大切にしていた。というのも、その指輪は黄金を呼び、財宝を増加させる力を持っていたからである。
そこへ、悪神ロキがあらわれ、アンドヴァリから財宝全てと指輪を奪うという出来事か起きた。これ以前にロキは主神オージンと一緒に世界を探検していたが、ある国で魔王フレイズマルの息子を殺してしまい、賠償金として大量の黄金が必要だったのだ。アンドヴァリは怒り、指輪にその所有者を破滅させるのろいをかけた。こうして、1個の呪われた指輪が誕生し、魔王フレイズマル、その息子ファフニル、さらに英雄シグルズなどその所有者となった者たちを横死させていった。


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